2018年12月24日

やっぱり友だちはいらない。(押井守著)

「押井守」
なんだか名前は聞いたことがあるが、誰だっけ?
押尾学と間違えたり・・ プロフィールを見るとアニメ監督さん。

知っているアニメを多くてがけていました。
古いものだと「太陽の子エステバン」「ニルスの不思議な旅」などは見てました。 うる星やつら、パトレイバーなどはあまり興味がなかったですけど。
タイトルに惹かれて手に取ってみたらなんだか面白そうで、いい言葉が散りばめられていたので雑感ですが記事にします。


友だちなんて幻想に過ぎない。にもかかわらず若者の多くは友だちがいないといって悩み、果ては心病む者までいる。幻想なのだから、作れなくて当たり前。いないと言って悩む必要はまったくない。いないのが普通なんだから。

「映画の仕事をするためには、どんな才能が必要なのかとは、よく尋ねられることなんだけれど、その答えのひとつは〝飽きないこと。〟 飽きさえしなければ、どんなに醜い作品を作ってもめげないし、くじけることもない。」

「孤独と向き合うことで初めて孤独を知る。無視していたら一生孤独に怯えることになる。」

動物たちに死の認識がない。彼らは死ぬ瞬間まで一生懸命に生きるだけ。だから反対に人間のように怯えることもない。苦痛はあるけどその先に死が待ち構えていることを知るよしもない、それが動物であり、人間に許されていないこと。人間だけに死という観念があるんだよ。


(友だち=素晴らしい)それは、つまり、自分の価値観が無いからだよ。自分の価値観を獲得するために努力をしてないから、世間や周囲の価値観に振り回される。


指南書の98パーセントはクズである。
(ひとりひとりに必ず“この一冊”はある。)それに到達するまでに人間は、大げさに言ってしまえば万巻の書を読む覚悟が必要なんですよ。そこに到達するまでの道のりがなければ、それを読んだところで何も得るものはない。そこが本の面白いところだよね。


「分かるということは、晴天の霹靂のように理解するんだ」(山本夏彦)
その人の生き方とか、考え方、読んで来た本、接してきたこと、すべてが問われる瞬間がある ---- 誰にでも。
そこに導くための言葉はあるんだけど、それはきっかけにしか過ぎないんだよ。

連帯を求めて孤立を恐れず」
(69年の時の全共闘のスローガン)孤立を恐れない闘いのなかに真の連帯があるんだという意味。



イラクで失踪したときに、翌日成田から飛んできてくれるのが真の友人


親子や兄弟は生まれた瞬間から定められたものだから選べないし、妻や夫という伴侶を探すより難しい。
なぜなら、伴侶とは人生をともに歩むという共同作業があるけれど、友だちにはそれがないからだよ。
にもかかわらず自分の人生の左右を決定的な存在。
この人がいたからこそ、私の人生は素晴らしくなったと言える存在。
もし、ちょっとした会合や集まり、誰かの紹介なんかで出会えれば、それこそ奇跡。

友だちだけではなく本との出会いのことも書かれていて勉強になりました。

人生に必要なのは「師匠」「家族」「仕事仲間」「小さきもの」と書かれていますがただ友だち否定論というわけではなくこれらがあれば十分じゃないの?って考えのようです。
確かに友だちに出会うのは難しいかもしれませんが、それを目的とするのではなく、結果として友だちができるのはいいことだと思います。
それよりも自分自身が変わっていくことの方がもっと大切だと思うわけです。

押井守さんは、アニメ、映画、哲学、宗教、思想など奥が深い人です。
あーこんなふうな人になりたいなとも思ってしまいます。


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