苦しまなくて、いいんだよ。(書評)

この本が初めて読んだプラユキ氏の本です。
以下、前ブログに書いた記事の転載(一部加筆修正)ですがご了承ください。


著者のプラユキ師はタイの上座仏教のお寺(スカトー寺)の副住職であるお方です。
しかし、名前はカタカナですが日本人なのです。


上座仏教は根本仏教、原始仏教ともいわれ日本の仏教よりもどこかストイックな感じや、本当に悟りや涅槃を目指したようなものだと知りました。
後にプラユキ師の存在を知り、図書館でこの本を借りてみました。

タイトルはなんだか軽い感じです。
よくある自己啓発的な感じであったり、お坊さんの書いた本でも似たようなタイトルはありますよね。

しかし、読んで驚きました。

基本的にはお寺に体験に来られた方(日本人)との対談形式で、その方の問題を解決していき、後にレクチャーとしてより深く洞察していくという流れで全5章で構成されています。

説明が難しいのですが、とにかく解説や洞察が明確であり、ほとんどがブッダの教えを元にしていて、ましてや上座仏教なのでブッダの教えをダイレクトに説かれているので説得力があるように思えました。
そしてやはりプラユキ師の説明が上手いのだと思います。

今までお坊さんの本などは何冊も読んできましたが、(難しい本は読んでなかったからかもしれないが)生きたブッダの教えとはこういうものだと実感できます。

このような現実世界に即した教えには出会ったことが無かったように思いました。

ブッダは世の中は「苦」であると言ったような曖昧な記憶がありましが、そうではなく、
苦はあるが、それをどのように無くしていくかということが肝心。
抜苦与楽。
方法として四聖諦、八正道などありますが、その理論を例をもってわかりやすく解説さています。

タイのお寺では瞑想も実践されますので、この仏教以外の瞑想をされていた方がこちらの瞑想を行った場合の違なども取り上げられています。

そもそもブッダの教えは教義、説法とあわせて瞑想が大切なのです。

しかし、そのブッダの瞑想法は日本の仏教各宗派ではあまり教えられていないように思います。
(知らないだけかも・・)
そんな瞑想方法を取り入れ「気づき」を得て、あわせて仏教の理論でもって人の心に宿る悩みや苦を消す方法が書かれています。

とはいえ、こうすればこうなるという理論があれども、便利な道具なようには簡単に結果がでるわけではありません。

そこには努力が必要だということです。
ブッダもその大勢の弟子たちも努力なくして道は開けなかったのです。

ちなみにプラユキ師は日本の仏教を批判しているわけではなく、良いところは取り上げたりもしていますし、どちらかというと仏教界、宗教界の連携も大切にされているようです。
そういう面でも面白く思います。

プラユキ師は本書の初めにこう書かれています。
「モノや地位などの外部要因に依存せず、自らで生み出し、自らが主となり、自らをよりどころとして培っていける“内発的”な幸せ」と。

世界の各宗教では多くが信仰ですが、仏教の本当の教えは信仰では無いと思います。
なにかにすがるように依存せず、自らが成長するという考えは僕自身に合っているので、この上座仏教は理解できました。

日本の仏教はやはり一度中国に入り、そこから日本に渡ってきているのでどうしてもフィルターがかかっています。
ブッダは本当は何を教えていたのかと興味のある方は是非読んでみてはいかがでしょうか。

残念ながらこの本は今は絶版のようでKindle版でしか買えないようです・・

単行本版(現在は中古品のみ)

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